台風19号の直撃は避けられそうにない状況になってきましたが、予想ルートは若干北に寄った模様で、金沢あたりを通りそうです。いずれにしても降雨はかなりありそうなので東海道線の復旧作業にも影響がありそうです。
さて、ようやく審判編の本編です。
既述のとおり
①セレッソの守備はハンド(=PK)ではなかったのか
②ヤコヴィッチのボディーコンタクトはPKではなかったのか
の2点についての私見です。
1.触れれば全てハンドというものではない
手にボールが当たれば 「味噌も糞もハンド」 ではないのです。
「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」
第12条 ファウルと不正行為
ボールを手または腕で扱う
の項には
競技者が手または腕を用いて意図的にボールに触れる行為はボールを手で扱う反則である。主審は、この反則を見極めるとき、次のことを考慮しなければならない。
●ボールが手や腕の方向に動いているのではなく、手や腕がボールの方向に動く。
●相手競技者とボールの距離(予期していないボール)。
●手または腕が不必要な位置にある場合は、反則である。
つまりただ単にボールが手に触れたからと言っても全てがハンドになる訳ではないのです。
例1)
今季のエスパルス戦を例にすると
アウェー鳥栖戦での後半のエスパルスの攻撃でペナルティーエリア内で鳥栖の選手の手に当たりましたが、主審の村上さんはファールをとりませんでした。
また、エコパでの浦和戦での前半のエスパルスの攻撃でペナルティーエリア内で浦和の選手の手に当たりましたが、主審の木村さんはファールをとりませんでした。
いずれも相手DFは意図的ではなく、またボールが手や腕の方向に来たと両主審とも判定したからです。
例2)
PKとなった例ですが、昨年の静岡ダービーが記憶に新しいのではないでしょうか。
村田選手のセンタリングを止めに入ったジュビロのカルリーニョス選手の右手にボールが当たりました。
カルリーニョス選手がボールに飛び込む際にバランスを取るために右手を上げたので、意図的とはいえなかったのですが、手がボールの方向に動いている為に主審の福島さんはハンドをとりました。
ということで、今回のプレーはハンドとならなかったということです。
2.ボディーコンタクトとその基準
生観戦しているとよくわかるのが守備側のボディーコンタクトの様子です。
最たる例は 攻撃側がヘディングのためにジャンプする直前に守備側が上半身を当てにきて、攻撃側のジャンプ(空中)のバランスを崩しにいく行為です。
エスパルスでいえばゴールキックやコーナーキックの際にノヴァコヴィッチ選手がこの行為を守備側(相手)からよく受けています。
先ほどのガイドラインでは 「相手競技者を押さえる」 という行為に当たります。
ヤコヴィッチ選手のボディーコンタクトもこれに該当するのですが、そこでこの日の榎本さんの基準を考えてみました。
先ほどのノヴァコヴィッチ選手への行為、すなわち上半身を使った相手を押さえる行為は殆どファールを取っていません。ですからヤコヴィッチ選手の行為もこの日の基準ではファールの範疇ではなかったのではないでしょうか。
では、なぜ上半身のコンタクトの基準を上げたのか、それはこの日のスリッピーなピッチの状況と関係があるように思いました。
すなわち、スライディングは制動が効かず危険なプレーに結びつく状況であった為、下半身へのファールの基準を厳しくしていたからだと思います。
笛でゲームを壊すことなくギリギリの基準で試合のバランスをとっていた結果だと思います。
結果としてセレッソ側にファールが多くなりました。
結果だけを見ればセレッソサポさんのお気持ちは十分わかりますが、榎本さんの基準はぶれていなかったと思います。
スカパー!未加入なので毎試合録画チェックはできないですし、この日はせっかく地上波(SBS)放映でしたので絶好の録画のチャンスではあったのですが、
「録画するとエスパルスは負ける」
という個人的ジンクスのために、最近は録画に興味を示さない自分がいます。
(=逃げているつもりではないのですが)
結果を見て鬼の首を取るような見方もありますが、なぜそのような判定をしたのか?と振り返ってみるのもおもしろいと思います。
ピッチチェック時の審判団。
雨の強さがわかるかと。
この時副審の伊東さんは既にウインカム(無線機)を着用して感覚を確かめていたようです。さすが。
ウォーミングアップ。
日本平初登場のバクスタ側副審の宮部さん。
試合開始前。
キックオフ直前に副審の宮部さんと何やら最終チェック。
FKのアクション。
平岡選手とのコンタクト。
前半のアディショナルタイムを掲示する四審の井上さんと、メイン側の副審の伊東さん。
雨の影響もあったのでしょうが、かなり削られました。
ピッチではなくエスパルスの選手。
そういうことを回避するためにもかなり厳しくファールはとっていたんですが。
プレーの再開を促す榎本さん。
選手へのかけ声。
河井選手の髪を心配しているわけではありません。
一発レッドではあったのですが、前半からいろいろと注意はしていたのです。
まあ、お決まりですが、レッドが出ると苦情がでるわけです。
レッドが出て
「ハイ、わかりました」
とあっさり引き下がるチームを見たことはありません。
ひとこと、ふたこと、みこと 言いたいんでしょうね。
この時の榎本主審の表情は高圧的威嚇的ではなく、写真のように絶えず柔和な表情でした。
このような時には特に大切な表情だと思います。
(審判に俳優業をすすめている訳ではありませんが、コミュニケーションの重要な要素だと思います。)
エスパルスも何か言っていましたが
新井場選手の副審への抗議の模様。
ということで試合が終わっても不満な表情のセレッソの選手。
とはいえ最後はちゃんと挨拶をしていますのでご安心を。
強雨の試合は集中力がいつもよりも必要で大変だったかと思います。
審判団の方々お疲れ様でした。
選手も観客も報道陣もリスペクト・プリーズ!
おまけ
この日の審判団のサイン(除く宮部さん)
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